2020年に成功を収めるためのマーケティング予算プロセスの4つのステップ

Juli Durante
トレンドとインサイト

私たちは、業界の選り抜きのコミュニティやソートリーダーのマーケティングに関するインサイトを不定期で特集しています。今回はBusiness2CommunityのJuli Duranteが、2020年の予算計画を策定し、予算を最大限に活用する上で重要となるヒントをご紹介します。

マーケティング担当者が予算額を目にしたときに考えることはだいたい決まっています。

予算に余裕のある幸運な担当者は、予算を何に使おうか考えるでしょうし、不運な担当者は、予算が少なく、必要な支出もままならない中、どうすれば成果を出せるかを考えるでしょう。

いずれにせよ、当面の課題は、マーケティング担当者と企業が2020年に成功を収められるように、マーケティングの予算を分配するにはどうすればよいかということです。

効果的なマーケティング予算の設定方法は以下のとおりです。

過去のデータを振り返る

これまでの道のりを知らずして、どこへ向かうかを正しく判断することはできません。

2020年に実施する、壮大で胸躍るマーケティングアイデアをあれこれ思案する前に、過去1年間の取り組みのうちで効果のあったものとなかったものについて、ちゃんと時間を取って分析しましょう。私はデータを分析する際は、常に公正であるために、「結果はどうだったか?」、「なぜその結果に至ったのか?」、「その結果を踏まえて何をすべきか?」の3つの問いを自問します。

「結果はどうだったか?」を示すレポートは、多くの場合簡単に見つかります。たとえばグラフを見れば、「非広告トラフィックが前年比で20%増加した」といったようなことがわかります。ここからさらに掘り下げ、「なぜ非広告トラフィックが前年比で20%増加したのか?」という問いを立てます。

その情報を得るには、さまざまなレポートが必要となりますが、最終的な目標は、トラフィックを増加させる可能性のあるキーワードはどれか、トラフィックのランディングページはどこか、そしてトラフィックが優良なリードの生成につながったかどうかを把握することです。

そして最後の問いは「その結果を踏まえて自分は何をすべきか?」ということです。

たとえば、過去のブログの3つの投稿により、非広告トラフィックが大幅に増加したことがわかったとします。継続的なブログ投稿は2020年のマーケティングプランの一部になり得ますが、そのトラフィックがリードや顧客に転換していないのであれば、コンバージョン率の最適化もマーケティングプランの一要素とすべきです。ここでは、以下の事項に注目することから始めることをお勧めします。

  • ソースまたはメディアごとのトラフィック: 効果があった、またはなかった取り組みはそれぞれ何だったでしょうか?2019年の成長に貢献したのは、どのような取り組みだったでしょうか?2020年に再度その取り組みを実践すべきでしょうか?
  • ソースまたはメディアごとのリード数: トラフィックの場合と同じ問いをリード数にも投げかけるとともに、リードの全般的な質も問います。リードはマーケティング対象の条件を満たしていたでしょうか?営業対象の条件を満たしていたでしょうか?チャンスはありますか?すでに顧客に転換済みですか?
  • ソースまたはメディアごとの顧客数 ここでも同じ問いを顧客数に投げかけるとともに、顧客の平均的な取引規模も確認します。検索広告から優良顧客を生み出していますか?オーガニック検索からの顧客の取引規模は小さいですか?その理由として何が考えられるでしょうか?
  • 広告キャンペーン分析: トラフィック、リード、顧客のそれぞれにおいて、量と質の両方を高められるのはどのマーケティングキャンペーンでしょうか?2020年にそのような追加キャンペーンを検討すべきでしょうか?
  • 全体の支出に占めるソース、チャネル、広告キャンペーンの割合: 広告キャンペーンの成果だけでなく、その広告キャンペーンの支出に対するROIも把握していますか?
  • これまでに季節の影響に気付いたことはありませんか?一般的に、ほとんどの企業は年間を通して、売上が最も上がる時期と下がる時期を把握しているものですが、時間をかけて新たな変化を起こすこともできます。たとえば、例年クリスマス明けに売上が増加することは見込んでいても、2019年の新学期ごろ、より小規模な売上の増加があったことは見込んでいましたか?この事象はまた起こる事象でしょうか?この事象をマーケティングや広告キャンペーンの取り組みに結びつけるには、どうすればよいでしょうか?

過去のデータを確認する目的は、理解することと実証することにあります。

  • 効果があり、繰り返す価値がある取り組みは何か?
  • 効果がなく、候補から除外すべき取り組みは何か?
  • 刷新すべき取り組みと、繰り返すべき取り組みの間にはどのような領域があるか?
  • 年間を通して予算額の増減に影響を及ぼす可能性のある季節性

現状の評価

過去12か月を振り返る場合、最近のデータを含めることになります。そのような情報は全体像の一部としては重要ですが、そこですべてがわかるとは限りません。

過去3か月間の変更のうち、2020年のマーケティングに影響を及ぼすかもしれないのはどのようなものでしょうか?たとえば10月初旬に実施した新しいウェブサイトの公開、リブランディングのファイナライズ、または最近実施したマーケティング代理店との契約などが含まれるかもしれません。

近い将来に目を向けてみた場合、2020年第1四半期に何が起こるか予測できますか?これらの項目を「現状」の要素に付け加えましょう。これらの現状のアクションは、マーケティングの推進要因と阻害要因のどちらにもなり得る戦略や戦術となります。

たとえば、あなたが2020年の初めごろに大規模なリブランディングを計画していたとします。色、フォント、ロゴを変えるだけでなく、企業名も新たに考案し、さらには現在のドメイン名とドメインオーソリティーも完全に刷新しようとしています。オーガニック検索がマーケティングで効果を上げていて、なおかつインバウンドマーケティングも実施していた場合、リブランディング実施後に必ず大規模なコンテンツ制作が必要となります。

達成目標の確認

このリストの最初に達成目標を掲げないことにしたのは、私にとっては思い切った決断でしたが、そうしたのには理由があります。目標が何であれ、マーケティング ファネルの過去と現在の状況を把握することは、マーケティングの取り組みに欠かせない基礎的な作業だからです。

ここまでは過去と現在の2つの領域について説明してきました。おそらくあなたの頭の中は、新しいマーケティングキャンペーンのアイデアでいっぱいかもしれませんが、ひとまずそのアイデアはパンチリストにまとめて、このリストの作成に戻りましょう。

2020年のプランに要素として加える目的を決定する前に、まずは自身の目標を把握する必要があります。マーケターとして、認知度の向上や、トラフィックまたはリード数の増加を目指すことは、目標を決める出発点として理想的です。

次の課題は、目標をさらに掘り下げることです。御社の2020年の目標はどのようなものでしょうか。マーケターとして、その目標の実現に広告キャンペーンをどのように役立てることができるでしょうか。たとえば御社が収益拡大と顧客維持を目標として掲げている場合、過去と現在のデータをおさらいすると、次のような問いを立てることができます。

  • 営業チームで最大の取引を生み出した広告キャンペーンまたはソースは何か?
  • 最も多くのリードの生成につながったトラフィックソースはどこか?
  • 長期顧客の獲得につながった広告キャンペーンまたはソースは何か?

アドバイス: 常に「なぜか」自問しましょう。ここで「なぜなぜ分析」(Five Whys)のアプローチを検討してみるとよいかもしれません。物事は少しずつ掘り下げてゆきましょう。深く掘り下げれば掘り下げるほど、自信も深まります。

道筋を決める

ここまで来れば、過去と現在の立ち位置と2020年の方向性が明確になっているはずです。あとは目的地にどのようにしてたどり着くか、つまりマーケティング予算をどのように分配するかを決めるのみです。

まず、「必須項目」を書き出します。これには次のものなどが考えられます。

  • ウェブサイトのホスティングやドメイン登録のコスト
  • コアマーケティング自動化ソフトウェア
  • 重要な周辺ソフトウェア
  • 広告代理店のパートナーシップまたはフリーランス/請負業者のコスト
  • 有料メディア予算(過去に成果とROIの実績がある場合)

次に、2020年の目標のレイヤーに取りかかります。どの領域にイノベーションが必要でしょうか?晩夏の季節性の影響を最小限に留めたり、対面イベントを計画したり、今回は有料の広告キャンペーンに余った予算を投じたりするかもしれません。リード数が大幅に増加した場合、チームと連携してリードスコアリングや営業オートメーションのしくみを構築することが合理的な場合があります。どのような構想が目標の達成に役立つでしょうか?何に予算を投じてそのような構想を実現する必要があるでしょうか?

ここからは、皆様がお待ちかねの項目を追加していきましょう。

  • パイロットを実施する新しいテクノロジー(統合プランを含む)
  • チームリソースの追加
  • 新しい広告代理店との関係の構築
  • 新しいマーケティングチャネル(目標に向けた広報戦略に適している場合や、有料ソーシャルメディア戦略をテストするために予算の一部を残しておきたい場合など)

おわりに: 柔軟な姿勢で臨む

2019年も終わりを迎え、予算の分配を心待ちにしている皆様は、その準備も万全のことと思います。マーケティングプランと支出のロードマップを策定することは素晴らしい試みですが、柔軟な姿勢で臨むよう心がけてください。アルゴリズムの更新、複雑な購買プロセス、そして次々と登場する新たなテクノロジーに囲まれた環境に閉じこもっていると、最終的に悪い結果につながる可能性があります。柔軟な姿勢で臨み、目標をしっかりと定め、2020年に成功を収められるように備えましょう。

2020年の予算配分の予定はいかがですか?

この記事の出典(英語)は、Impulse Creative でご覧いただけます。この記事はBusiness2CommunityのJuli Duranteが執筆し、NewsCred パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するご質問はlegal@newscred.comに直接お問い合わせください。

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